広島県教委が仲介 人材不足を埋める
▽放課後、子ども教室のサポート役 小学生を対象にした放課後子ども教室のサポート役にボランティア登録した大学生を派遣する広島県教委の事業が好評だ。7月から始めた事業には375人が登録し、9月末までの3カ月間に延べ118人が派遣された。文部科学省によると、教室への学生派遣を県教委が仲介するのは先駆的な取り組みという。 市町村が運営する放課後子ども教室は、2005年11月に広島市安芸区で起きた木下あいりちゃん事件などを機に、安全な子どもの活動場所をつくるため文科省が07年度、補助事業としてスタートさせた。地域住民や学生が講師となり、放課後や週末、小学校などを拠点にスポーツや文化活動に取り組む。 広島県内では19市町が計165教室を設ける。近くに大学がある市町はこれまでも学生の協力を得られたが、それ以外の市町では講師の固定化や高齢化による人材不足が課題だった。このため県が派遣を仲介し、市町のニーズに応えることにした。学生の交通費は市町が、活動中のけがなどに備える傷害保険などの保険料は県が負担する。 派遣事業は県立生涯学習センター(広島市中区)が窓口。市町の依頼内容を踏まえて登録者の中から適任者を派遣する。9月末までに、広島大や福山市立女子短大など16大学・短大の計375人が登録。東広島市や安芸太田町など11市町に計30回派遣した。 学生が講師となる教室の活動内容はスポーツや勉強、英会話、科学実験など多彩だ。広島大大学院教育学研究科の高田康史さん(25)=東広島市=はヒップホップダンスを教える。「子どもの喜んだ顔を見るとやりがいを感じる」と話す。 五つの教室を設ける府中町教委社会教育課の金川秀之課長は「教室が活発になった」と喜ぶ。県立生涯学習センターの加藤浩司振興課長は「地域貢献の場として、大学側の協力が得られる。さらに定着させたい」と話している。(門戸隆彦)
(2011.10.6)
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