中国新聞


心の保育、呉の「善隣館」20周年
支えた保護者らが祝う会


   

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創立20周年を祝う会の展示資料をチェックする保護者

 保護者と保育士が共同で運営している呉市西中央の保育所「地球っ子くらぶ・善隣館」が来春、創立20周年を迎える。心の保育を重視した保護者たちの熱意で開園し、卒園生は200人を超す。27日には、祝う会を中通のビュー・ポートくれで開いた。

 善隣館は前身の幼稚園が経営難で閉園したのに伴い、1992年4月に開設した。「知識より他者との関わり方を重視する(前身の幼稚園の)保育を続けたかった」。開設時に長女を通わせ、現在は保護者でつくる同窓会の会長の中村和美さん(59)は振り返る。

 施設は卒園者の保護者から借りた一軒家。運営には保育士と保護者が携わり、経理部や総務部、子育て学習企画部などの業務をそれぞれ担当している。行政からの補助金はなく、保育料だけでは足りない運営資金はバザーや空き缶回収などで賄い続けた。

 祝う会は午後1時半から開き、20年を振り返るビデオ上映などがあった。中村会長は「資金難のときもあり、20年も続くとは思わなかった。卒園生が自分の子どもを入園させたくなるような保育所であり続けてほしい」と話す。(加田智之)

(2011.8.19)


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