安佐北区の亀崎中校区 6年生に図工指導 広島県教委、「中1ギャップ」解消の対策強化
広島市安佐北区の亀崎中の美術教諭が4月から、校区内の倉掛、亀崎の2小学校で6年生の図工の授業を担当している。進学時の環境変化になじめない「中1ギャップ」解消に向け、広島県教委が中学校に小学校との橋渡し役を務める教員を加配する小中連携の取り組みだ。 倉掛小の図工の授業では、21人が画用紙に水彩絵の具で色を重ね、校舎や校庭の木々を描いていた。「光の当たり方をしっかり観察しよう」。亀崎中の中島純子教諭(43)がアドバイスして回った。 中島教諭は倉掛小で週1日、亀崎小で週2日、6年生の各クラスで授業をする。授業前や休み時間には6年生の担任教諭と情報交換。「中学校で求められる授業態度の育成と児童の個性の把握に心掛けている」という。 倉掛小の岡島光沙さん(11)は「中島先生を通して中学校の雰囲気がイメージできるようになった」と喜ぶ。「中学校に知った先生がいるのは安心」「専門的な指導が受けられる」との声もある。 県教委によると2008年度、病気などの理由以外で学校を年間30日以上欠席した不登校の小学6年生は196人。それが09年度の中学1年生は492人と2・5倍になった。 こうした状況への対策と専門教育充実を目的に県教委は本年度、9学級以下の小規模中34校に音楽、美術、保健体育のいずれかの教諭1人を増員。校区内の小学校で授業を受け持つ試みを始めた。 亀崎中では昨年度、1年生が授業を欠席したり、騒いで妨害したりすることがあった。現在、小学校への中学教諭派遣に加え、小中3校長が毎月1回、子どもの様子や指導の在り方を意見交換する。 同中の和田晋校長は「先生も互いの学校の授業を見学するようになった。スムーズに中学生活になじめるよう共通の指導方法を考えたい」と話している。(有岡英俊) (2011.7.13)
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