中国新聞


農村体験 最多10小学校
広島県北広島町の交流事業


   

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芸北地域で林業体験に取り組む江田島市の切串小児童(昨年8月)

 広島県北広島町の「子ども農山村交流プロジェクト」で、町内の民宿に宿泊し、農村の暮らしを体験する小学校は本年度、過去最多の10校に上ることが分かった。経費の一部を町が参加校に助成する新たな試みが奏功した。2008年度開始のプロジェクトに伴う町内への宿泊日数は延べ3千泊に達する見通しだ。

 ▽本年度、独自に一部助成奏功

 プロジェクトは町や観光業、農林業、民宿関係者でつくる協議会が推進主体。神楽鑑賞や農作業、清流遊びなど町ならではの60種類の体験プログラムを提案する。地元住民が講師を務めてサポートし児童と交流を深める。

 本年度は広島市や江田島市、坂町など県内10校の5年生328人が7〜9月、2〜3泊の日程で訪れる。芸北地域の民宿に分かれて泊まる。

 プロジェクトは国が08年度に始めた。食費を除く全額を実施校に補助する。町は県内唯一の受け入れモデル地域に指定され、09年度までに15校を受け入れた。だが、政権交代後の事業仕分けの結果、補助額は3分の1に削減された。実施校の負担が増え、昨年度の受け入れは2校にとどまった。

 町は事業が地域活性化に不可欠と判断。児童1人当たりの宿泊費を1泊2千円(3泊まで)とし、実施校に交通費の半額を助成する制度を新設した。本年度は296万円を予算化した。

 町によると、参加者の延べ宿泊日数は本年度末で3165泊になる予定だ。町企画課は「地域経済への波及効果は大きい。自然豊かな町は格好の教材。地元住民も児童との触れ合いを楽しみにしている」としている。(胡子洋)

(2011.6.11)


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