中国新聞


休日保育 拡大の動き
マツダ土日操業に対応
交通、電車増結を検討 商業、木金の集客狙う


 マツダなどが土、日曜に操業し木、金曜に休む節電対策を7〜9月に実施するのを受け、託児などの対応策が動きだした。共働きの従業員に託児への不安があるため、広島市は休日保育の定員の拡大を検討する。一方、従業員の生活の変化を見越し、木、金曜の集客策を練る商業施設もある。

 広島市は、4カ所の保育園で実施している休日保育の受け入れ人数の増加を検討している。現在の定員は計約50人。保育課は「不安解消に向け、柔軟に対応したい」と前向きな姿勢を示す。

 「土曜日に子どもをどこに預けるか悩んでいる」。広島県府中町のマツダ本社で働く30歳代女性は打ち明ける。他の会社で働く夫はこれまでも土曜は出勤日。「有給休暇の取得も考えないといけない」と言う。

 40歳代の女性も「職場では、幼い子どもの休日保育をどうするかの話題で持ち切り」と明かす。一方、4〜8歳の3児を育てる30歳代の男性社員は「夏休み期間なので、木、金曜でも子どもと触れ合える」と心配は少ない。

 マツダは30日、勤務シフトの変更を正式に労働組合と合意した。従業員約2万2千人のうち、大半の従業員が対象となる。約4800人が勤める三菱自動車水島製作所(倉敷市)もシフト変更を決めている。

 自動車の部品メーカーの多くも同様にシフトを変更する見通し。総務省によると、中国地方には約800の自動車・部品メーカーがあり、計約5万2500人が勤務する。

 交通機関にも対応が求められそうだ。JR西日本は朝夕のラッシュ時、マツダ本社前のJR向洋駅に停車する山陽線と呉線の列車の車両数を、昼間の2倍にしている。広島支社(広島市東区)は「週末の増結が必要か検討している」とする。

 「木、金曜日に買い物に出る人が増えそうだ」とみるのは、天満屋八丁堀店(中区)の販売促進チーム、平川徹さん(31)。同店は、木、金曜の買い物客への特典付きクーポンの配布や、食品売り場の総菜強化を検討している。(山瀬隆弘、東海右佐衛門直柄)

(2011.5.31)


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