中国新聞


小中全校に太陽光発電
雲南市、28校の設備稼働
CO2年間207トン削減 教材にも活用


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校舎の屋根に設置された太陽光発電パネルの稼働を喜ぶ児童

 雲南市は11日、市内の全小中学校に太陽光発電パネルを設置し、稼働したことを祝う記念式を寺領小で開いた。二酸化炭素(CO2)の排出量を抑え、環境問題を身近に学ぶ教材として活用する。

 三刀屋中への設置が10日に完了。これで28校の校舎や体育館の屋根への取り付けが終わり、太陽光発電パネルの総数は約3500枚になった。全校で太陽光発電システムが利用できる。

 年間の総発電量は約64万キロワットで、140世帯の家庭が1年間に消費する電力量に相当する。CO2排出量は年間約207トン削減する。校舎内のモニターで発電量をリアルタイムで確認できる。

 市教委は、電気代の節約や余った電力の販売などで約870万円の経済効果も見込む。事業費は約6億6千万円で、国がスクール・ニューディール構想の一環として95%を補助した。

 市教委は「市内の全校を挙げて太陽光発電をするのは全国でも先進的な取り組み」としている。島根三洋電機が市内で基幹部品セルを製造するパネルを選んだ。

 寺領小での式典では同社の吉田和行社長が「電気の地産地消になり、社員の誇りにつながる」とあいさつ。その後、3〜5年生31人が三洋電機(大阪府)の社員から太陽光発電の仕組みなどを学んだ。5年の鐘撞(かねつき)直哉君(11)は「毎日モニターで発電量を見られるのが楽しみ」と話していた。(川上裕)

(2011.3.12)


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