広島県学校保健会まとめ 2009年度1.0未満4人に1人 携帯ゲーム機要因 広島県内で小学生の視力低下が年々進んでいる。県学校保健会のまとめ(2009年度)では、裸眼視力1・0未満の割合が4人に1人を占め、約10年間で1割以上増えた。専門家は「小型携帯ゲーム機の長時間使用が要因の一つ」と指摘。春休みを控え、家庭での対策を呼び掛けている。 保健会は毎年度、県内の公立小中高などでの健康診断の結果を集計している。09年度の視力1・0未満の児童の割合は24・3%。現在の集計方法となった1998年度に比べて11・4ポイント増え、最も多くなった。眼鏡などで視力矯正が必要とされる同0・3未満は4・5%と、同年度比で倍以上になった。 中国地方の他県でも児童の視力低下の傾向がみられる。データをまとめている島根、鳥取両県の10年度速報値では、視力1・0未満の割合は島根が98年度比7・2ポイント増の29・9%、鳥取は同4・6ポイント増の32・0%。いずれも過去最多となった。 児童の視力低下の背景について、広島市眼科医会の藤堂浩敏副会長は「携帯ゲーム機など小さい画面を長時間見ることで、過度の負担が掛かっている」とみる。1時間が目に負担をかける許容範囲とし、親子で使用ルールを決めるよう促す。 近年は心因性の視力障害がある児童も多いという。症状は、視野が狭くなったり色の判別がつかなくなったりする。ストレスが原因とみられ、保護者が気付かずに症状が悪化するケースもある。 藤堂副会長は「目の異常は他人では気づきにくい。子どもとのコミュニケーションを深め、おかしいと感じたらすぐに受診してほしい」としている。(山本堅太郎) (2011.3.5)
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