岩国の鈴川さん作「ポケットのなかで…」 10年来の夢が実現 「多くの人に元気を」
岩国市装束町の元小学教諭鈴川ひとみさん(51)が原作を書いた絵本「ポケットのなかで…」(金の星社)が出版された。作画は、テレビの人気教育番組のアニメーション制作などで知られる絵本作家いもとようこさん(66)。10年来の夢が実現した鈴川さんは「多くの人に元気や笑顔を届けられたら幸せ」と喜んでいる。 少女がスモックのポケットに入れたまま、忘れられていた気弱なボタンと面倒見のよい安全ピンが主人公。鉛筆などの「ともだち」との友情、少女と母の愛情などが温かな作風で描かれている。 鈴川さんといもとさんとの出会いは昨年6月。周南市でのサイン会を訪れた鈴川さんが「読んでもらえるだけでもうれしい」と原作を託した。 NHK教育テレビ「いないいないばあっ!」のアニメーションなども手掛けるいもとさんは「母の愛と子どもの感謝の気持ちを感じる」と評価。鈴川さんと連絡を取り、原作を微修正するなどして仕上げた。一般の人から持ち込まれた物語を作品にするのは初めてという。 鈴川さんが物語や絵本を書き始めたのは教諭時代の1999年。児童が物語を書く授業で「楽しそうな子どもたちを見て、自分もやってみよう」と思ったのが最初だった。教諭仲間の原作が絵本として出版されるなどし、「いつか私も」と思うように。現在はインターネットのブログで発信を重ねている。 「すてきな絵の作品にしてもらえ、感動した」と鈴川さん。「読んだ人の気持ちが温かくなったらうれしい」と話している。1470円。全国の主要書店で販売中。(山瀬隆弘) (2011.2.24)
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