廿日市市の母子生活支援施設 13年度 DV被害対策を強化
廿日市市は2013年度、同市梅原の母子生活支援施設「廿日市市いもせ寮」の運営を民間移管する方針を決めた。運営を引き継ぐ社会福祉法人は建物や職員配置を一新し、配偶者などによる暴力(ドメスティック・バイオレンス=DV)被害者の一時保護施設としての運用を強化する。 寮は旧大野町が1973年に建設。市が運営する。4階建て延べ330平方メートルで18世帯分の居室がある。老朽化による雨漏りなどのため今は2、3階だけを使用し、定員を9世帯に減らしている。 一方、厚生労働省の全国調査で施設入所理由のトップになっているDVの被害者は、施設の態勢が不十分で原則受け入れてこなかった。施設長と母子指導員など計4人を配置するが勤務は午後7時まで。建物は廊下が外側に面する構造で、夜間に被害者の夫が押しかけてきた際などに保護が難しいためだ。 市はDV対応を強化するため児童福祉施設を運営する社会福祉法人に移管を打診。意欲を示した「津田子供の家」(廿日市市津田)と協議を進めていた。 現在の建物は市が11年度に解体し敷地を無償貸与。津田子供の家は12年度、居室15室と心理療法室などを備える新施設を整備する。建設費1億2600万円のうち4分の3を国と県の補助金で賄う。 新施設には施設長と母子指導員など計4人を配置。職員が住み込み24時間体制とする。このほかに臨床心理士も置き、DV被害者や子どもの精神的ケアにあたる。 解体・建設中は市が市内の空き社宅を借り上げ、改装して運営する。市児童課は「DV被害者が安心して暮らせる体制を整えたい」としている。(山本秀人) (2011.2.24)
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