中国新聞


外科医の卵に修学資金貸与
11年度から山口県
指定機関勤務で返済免除


 山口県は2011年度、医師の確保策として、外科医師を志す大学医学部の5、6年生に月額15万円の修学資金を貸す制度を創設する。山口大の在籍者か、県内の高校の卒業者が対象。臨床研修後、外科医として指定医療機関に勤務すれば返還が免除される。外科医限定の同様の制度は、都道府県では初という。

 返済免除は、修学資金を受けた期間の1・5倍の勤務を条件とする。最長2年間にわたり、計360万円を借りた場合、3年間勤務すれば全額の返済義務がなくなる。

 貸付枠は5人とし、書類と面接で選考する。11年度一般会計当初予算案に900万円を計上した。

 県地域医療推進室によると、08年の集計で県内の外科医は289人と、10年前の4分の3に減少。訴訟リスクや多忙などを理由に敬遠される傾向が強まり、35歳未満は9・0%の26人しかいなかった。

 同室は「技術の伝承が緊急課題。外科の担い手を確保し、安心できる地域医療の充実を図りたい」としている。(金刺大五)

(2011.2.23)


子育てのページTOPへ