中国新聞


学習塾通えぬ中学生支援
学びの場提供へ 三次にグループ
元教諭ら3月開講


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発足式で「あすなろの歌」を合唱する参加者

 三次市の元学校教諭たちが12日、家庭の経済的理由などで塾に通えない中学生向けに学習の場を提供する「学び支援塾あすなろ」を発足させた。3月に開講する。

 NPO法人を設立して運営予定で、認可を申請中。十日市中の十日市二区集会所を会場とし、塾講師の茗荷谷武志塾頭(51)たち市内の4人が教壇に立つ。

 同市十日市東の市生涯学習センターで開いた発足式には、約80人が出席。茗荷谷塾頭は「受け身の勉強ではなく、自分の力で切り開いていく強い子どもを育てたい」とあいさつした。塾歌「あすなろの歌」も披露した。

 NPO法人理事長となる黒田明憲さん(76)は「(親の)所得格差が学力格差に結びついている。その連鎖を断ち切りたい」と設立の意義を強調した。

 この塾は、一人親家庭などでは生活に追われ、教育的な展望が描けない―などとする民生委員の声を受け、元教諭たち約10人が昨年6月から準備した。所得格差が学力格差に直結しないよう、行政による施策を求める要望書も昨年12月、市と市議会に提出した。

 塾は、英数国を中心に中学1年生が週2回、2、3年生が同3回。経費は企業や市民の募金を充て、個人負担は教材費など月4千〜4500円。毎週土曜日、地域住民たちを講師に招いて農業や料理などを学ぶ「あすなろ講座」も開く。事務局Tel0824(63)9114。(桜井邦彦)

(2011.1.13)


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