広島市、子ども擁護委の役割説明 広島市議会は18日、安心社会づくり対策特別委員会を開いた。市こども未来局が、制定を目指す子ども条例に基づき設ける相談・調査機関「子どもの権利擁護委員会」の概要を説明。いじめや虐待の有無を調査し、当事者に改善を求める仕組みを明らかにした。 市は、昨年12月に示した子ども条例の素案に擁護委の設置を明記し、体制や活動内容を検討していた。市の説明によると、擁護委は学識経験者たちの擁護委員3人と、カウンセリング経験者の複数の相談員で構成する。 まず相談員が、被害者や関係者からの相談に対応する。深刻な場合は擁護委員が訪問し、事実関係を確認。問題がある家庭には改善を要請する。対象が公立学校など行政機関の場合にはより重い勧告を出す。ただ、法的な強制力はない。 特別委で、こども未来局の磯辺省三局長は「第三者の立場で相談から調査までを一貫して担当できる」と利点を強調した。 議員からは賛否の声が出た。馬庭恭子氏(中区・未来ク)は「虐待を受けても声を上げられない子どもはいる。対応する機関が多いほど問題を見つけやすくなる」と賛同した。一方、米津欣子氏(佐伯区・公明党)は「児童相談所を強化するほうが問題解決につながる」と疑問視した。(教蓮孝匡) (2010.8.19)
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