広島市内11地区民間業者に説明会 入園待ち解消 市計画で追い付かぬ 広島市は、保育園への入園待ちの子どもが多い市内11地区で、保育園を新設する民間事業者の緊急募集を始めた。不況で共働きが急増し、当初計画の定員拡大では追い付かないと判断。年度途中での募集に踏み切った。 対象地区は安佐南区の全域、安佐北区可部、佐伯区五日市駅前など中区を除く市内7区に広く点在する。社会福祉法人や学校法人、NPO法人、企業、個人など保育園の運営主体の形態は問わない。用地は事業者が確保し、2011年度末までに自費で建設、開園することなどが条件。 市は16日、中区の市地域福祉センターで説明会を開き、約20事業者が参加した。市は8月31日まで募集し、9月中に事業者を選ぶ。市は、緊急募集枠が埋まれば定員を約1100人増やせるとする。 市内で希望する保育園に入れない「入園希望者」は、7月1日現在で721人。08年同期比で約2・4倍に上り、今年4月からの3カ月間でも114人増加した。また、希望する園以外にも入園できない「待機児童」は4月1日現在で220人に達した。 市の保育計画は本年度から5年間で、私立園の新設や園舎増築などで定員を2764人増やす考え。本年度は913人の定員増を予定していたが、市は不況の長期化でさらに入園希望者が増えるとみて緊急募集を決めた。ただ、年度途中のため予算化が困難な建設費の補助は見送った。 浜田祐二・保育施策推進担当課長は「市財政が厳しい中での苦肉の策。保育園運営を考えている事業者はまずは相談してほしい」と呼び掛けている。(教蓮孝匡) (2010.7.21)
|