中国新聞


子育て広場地域に定着
オープン3年 三次の「KADOYA」


photo
子育て中の女性が集う「KADOYA」。憩いの場として定着している

 JR三次駅に近い三次市十日市中の元呉服店を活用した子育てフリースペース「KADOYA」が、オープン3年を迎えた。母親たちが出会い、悩みを共有する憩いの場。周辺住民の支援も受け、地域に定着している。

 ▽手づくり行事が好評

 大きくなったね」「僕はいくつになったん」。平日の昼間、子どもを連れた女性たちの笑い声が、木造の建物を包み込む。

 KADOYAは、NPO法人「三次おやこ劇場」が運営する。2007年5月にできた。火曜日から金曜日の午前11時〜午後4時に開き、ボランティアのスタッフ5人が交代で運営する。

 子どものおやつ作り、裂き織り教室、ヨガ、整体…。随時開く、常連客の手づくりイベントを通じ、口コミで母親たちの来場が増加。交流が広がる。

 「子育ての悩みを抱えていたとき、仲間が励ましてくれたんですよ」。2年前から通う同市上田町の主婦延原真由子さん(29)は笑顔で振り返る。

 大阪府寝屋川市から08年に転居した延原さん。当時は三次に友人がなく、長女歩果ちゃん(1)のアトピー性皮膚炎で悩むこともあった。KADOYAは心のよりどころだった。

 不登校の子への居場所提供もオープン時からの重要な目的。子どもたちを受け入れたり、親同士が悩みを共有する会を月1回開いたりしている。

 運営資金は市などからの助成と、店内で販売するリサイクル品の売上金を充てる。「費用の足しに」と洋服や食器を提供してくれる住民もいる。

 昨年5月にはカフェを開設。交流拠点としての機能性を高めた。代表の佐々木洋子さん(56)は「お母さんや地域の人が、気軽に立ち寄れる場所であり続けたい」と願っている。(桜井邦彦)

(2010.7.15)


子育てのページTOPへ