中国新聞


「命の大切さ伝えたい」
チョウの教室 地元小で20年
「広島虫の会」会員 曽根さん


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標本を示し、チョウの生態などを児童に説明する曽根さん(中央)

 「広島虫の会」会員で三次市君田町の曽根保さん(63)が、地元の君田小児童の理科の授業に登場し、チョウの生態などを教えて今年で20年になった。「命の大切さを伝えたい」と、児童との毎年の触れ合いを楽しみにしている。(桜井邦彦)

 曽根さんは9日、同小3年生8人に約1時間半、自作の標本を示しながらチョウの話をした。近くの畑に出てモンシロチョウなどを網で採集し、キャベツの葉の裏に産み付けられた卵を一緒に確認した。チョウの羽にある鱗粉(りんぷん)の仕組みや、足の構造も顕微鏡で観察した。

 「どの生物も命あるもの。やたらと傷つけたり殺したりしないように」。授業の最後、児童に語り掛けた。樋原(といはら)芽生さん(8)は「チョウはきれいなので好き。『鱗粉は、羽が雨にぬれないためにある』という話が勉強になった」と話していた。

 曽根さんは幼少期から、チョウなどの虫が大好き。市内外で標本集めや写真撮影に熱中した。長女が同小の4年生だった1990年、当時の教頭に頼まれて教壇に立った。

 以来、毎年1回から数回、講師を務める。曽根さんは「君田の子が生き物のことを知って、痛みの分かる大人に育ってほしい。後継ぎも出てくれればうれしい」と、チョウを追う児童に目を細めた。

(2010.6.10)


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