植物題材ユニーク授業 形状比較やDNA鑑定
安田女子中(広島市中区)は、植物を使ったユニークな実験、研究を、授業に取り入れている。遺伝子解析などの高度な内容も盛り込み、生徒の学習意欲を引き出す。 「自然科学探究コース」の2年生88人は、研究テーマにタンポポを選んだ。中区や東区の花や葉を採取し、外来種の分布の拡大状況を調査。生育環境の変化を分析する。在来種との雑種も多いため、遺伝子を解析するDNA鑑定も試みる。 5月はフィールドワークに取り組んだ。2度に分けて、学校近くの川土手や広島城周辺のタンポポを採取し、形状を見比べた。花はアルコールに漬けて、冷凍保存した。井上綾子さん(13)は「ニュースでよく聞くDNA鑑定をするのが楽しみ」と心待ちにする。 1年生はマメ科のミヤコグサを育てる。ミヤコグサは昨年、現2年生が国際宇宙ステーションから持ち帰られた種を譲り受けて栽培した。その宇宙ミヤコグサから採った種を育て、通常の種の成長過程と比べる。 各学年の試みは、理数教育を推進する科学技術振興機構の「サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト」にも選ばれた。助成金を生かし、県内外の博物館や企業の研究員による特別授業も開く。 同校は昨年、理系の同コースを新設した。広報担当の柳沢温郷教諭(45)は「生命科学の分野で活躍する人材を育てたい。興味を引き出すため、少し背伸びした内容にも挑戦する」と話している。(田中美千子) (2010.5.31)
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