中国新聞


小学1・2年で「書道科」
熊野町が広島県内初 
筆文化の関心向上へ


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佐城さん(手前右から2人目)に横線の書き方を教わる児童

 小学1、2年生を対象にした「書道科」の授業が18日、筆の生産量が全国トップの広島県熊野町で始まった。学習指導要領では毛筆を学ぶのは3年生以上だが、低学年から筆文化への関心や集中力を高めてほしいと踏み切った。町教委は「県内では初めて」としている。

 町内全4校の1、2年生470人が、書道講師で非常勤講師の佐城恵子さん(34)=広島市東区=から書く時の姿勢や片仮名の書き方を教わる。授業は年間15時間。教科書は用いず、成績評価もない。

 この日は、熊野第二小の40人が、墨の代わりに水で何度も書ける水書板を使って練習。「書く時は静かに心を落ち着けて」と指導を受け、穂先の向きや筆圧を変え、細い線や太い線の書き方を学んだ。

 1年清水陽平君(6)は「筆の持ち方が難しかった。早く文字を書けるようになりたい」と張り切っていた。

 町は2008年9月施行の「筆の日」条例で、「町民は筆を生活の中に位置付け、筆の楽しさを味わうように努める」と定める。教育現場でも条例の精神に沿って書道科を導入した。(小山顕)

(2010.5.19)


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