中国新聞


規範性はぐくむ独自教育始まる
広島市教委が本年度
市立18小中学校


 広島市教委は本年度、道徳を学校行事や他の教科と組み合わせて教える独自のプログラムを、市立18小中学校で始めた。学校生活や社会での体験を通して道徳の理解を深め、ルールやマナーを守る規範性をはぐくむのが狙い。

 学年に応じた計30項目の学習内容。社会見学を公共マナーの学習に発展させたり、道徳の授業で学んだ考え方を日常生活で実践したりする。市教委は2011年度の全校導入を目指している。

 学習の具体例としては、クラスの係活動で集団生活での役割を学び、帰宅後の手伝いにつなげる(小学1、2年)▽清掃工場見学からごみ捨てマナーを考える(小学3、4年)▽高齢者や身体障害者に配慮したまちづくりを修学旅行先で探す(中学2年)―など。

 中学では地域に根ざした心を育てるため、太田川のアユ漁など各学年に2項目ずつ地元の話題を盛り込んだ。

 青少年非行が後を絶たない現状を踏まえ、市教委は08年、有識者や教員で「規範性をはぐくむための教材開発委員会」を発足。09年度に小中10校で授業を試行し、効果を検証したうえで今回のプログラムを定めた。指導第2課の市川昭彦課長は「子ども自身が生活の中で心の成長を感じられる指導をしたい」と説明している。(教蓮孝匡)

(2010.5.8)


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