中国新聞


進学控える小6をサポート
不安や疑問 解消の一助に
大竹中、連絡ノート配布


 大竹市の大竹中が、校区内にある大竹、木野の両小の6年生全員に、連絡ノート「おおたけっこ〜小中のかけ橋」を配っている。定期的に回収し、児童のつづった疑問や不安に、中学教諭がコメントを書き込んで返却する。進学への不安を軽減し、新生活になじめない「中1ギャップ」の解消に努めている。

 ノートはA4判、24ページで、夏休み明けの昨年9月に配った。児童約100人が、同中で授業や部活動を体験する交流行事があるたびに提出。約20人の教諭が、分担して返事をつづった。

 「授業が難しそう。予習は必要ですか」。そんな不安に「復習だけでも大丈夫。予習すればさらに力がつくよ」と教諭は答えた。「部活の練習についていけますか」との声には、「できることから頑張れば、体力もアップします。チャレンジしてね」と返した。授業への期待を書き込む児童もいる。

 ノートは、昨春の入学生を対象に2008年度から使い始めた。小学校の教諭と相談し、新生活に期待が膨らむようなページも設けた。写真を多用し、授業や部活動の様子を紹介。同中の大石泰校長や中学生の歓迎メッセージも盛り込んだ。

 同中1年の川尻弥代さん(13)は「授業のスピードが心配だった。『大丈夫』と書いてもらい、ほっとした」と振り返る。同じく山中かおりさん(13)も「年間行事などがまとめてあり、入学が楽しみになった」と明かす。

 ノート作りを発案した同中の本田浩実教諭(47)は「中学へのスムーズな移行を助けたい。進学先に知った先生がいると思えば、心強い」と説明する。同中のホームページには、小学生向けのコーナーも設けた。中学校生活の様子を、こまめに発信する。

 一連の試みは県教委の研修会などで紹介され、他校から問い合わせが相次いでいるという。「教諭側にも、児童の胸の内を知り、指導法を工夫できるメリットがある」と本田教諭。取り組みの広がりを期待している。(田中美千子)

(2010.3.22)

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