中国新聞


子ども手当でキッズ商戦強化へ
スーパーや学習塾 消費拡大に期待感


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イズミが品ぞろえの強化を計画するゆめタウンのコーナー「ゆめキッズ」(広島市南区)

 衆院本会議で16日に可決され、月内成立の見通しとなった子ども手当法案。中国地方ではスーパーが子ども用品売り場の強化を検討中で、学習塾も幼児・児童向けコースの拡充を図るなど、関連需要を取り込む動きが出ている。ただ消費拡大にどこまでつながるのかを見極めたいというムードもある。

 地場スーパー最大手のイズミ(広島市南区)は、大型店「ゆめタウン」で子ども用品を集めた総合コーナー「ゆめキッズ」を昨秋から展開中。妊婦用品、ベビーフード、ベビーカー、子ども服、玩具などを成長段階に応じて陳列する。子ども手当の支給が始まる見通しの6月に合わせ、品ぞろえの強化やセールなど販売促進策を検討している。

 2010年度には、展開する店舗を今の18店から最大で38店に増やす方針。広報課は「手当支給は大きな追い風。財布のひもが緩むよう、店頭での提案を強めたい」という。

 百貨店の天満屋(岡山市北区)は、家族層主体のアルパーク店(広島市西区)などで支給開始に合わせた子ども向けイベントなどを検討している。そごう広島店(中区)福屋(同)三越広島店(同)も対応策を練る。

 中四国、九州で27校の英会話塾を運営するジー・ネットワークス(山陽小野田市)は6月をめどに、アニメを見ながら英語を学ぶ幼児・児童向けの教材を導入する予定。支給に合わせて塾の魅力を一層高めるのが狙いだ。

 学習塾向け教材卸で中国地方最大手の中央教育研究所(広島市南区)によると、授業料を1人当たりの支給額(月1万3千円)に合わせたコースを新設する塾もあるという。梶浦隆章社長は「不景気で利用者の減少が続く業界にとって多少の歯止めになれば」と話す。

 一方、子ども向け通信教育最大手ベネッセコーポレーション(岡山市北区)は「実際にどのくらい教育にお金が回るか見ていきたい」と様子見ムード。

 中国電力エネルギア総合研究所(東広島市)の西槙徹研究員は「昨年の定額給付金よりは消費を刺激する効果がありそう」と期待しつつ「雇用不安も続いており、貯蓄に回す人も多いのではないか」とみている。(東海右佐衛門直柄、漆原毅)

(2010.3.17)


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