中国新聞


フジもネット宅配
生鮮など7000品目 秋にも開始
広島市内 競争が激化


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 スーパーのフジ(松山市)は今秋にも、インターネットで注文を受けて生鮮品などを配送するサービスを広島市の一部で始める。高齢者や共働き、子育て世帯の需要を取り込む狙い。消費低迷の中、出店コストを掛けずに新たな客層を開拓できるネット事業への参入が中国地方で相次いでいる。

 フジが広島市の一部で始めるのはネット宅配「おまかせくん」。野菜や魚などの生鮮品をはじめ総菜、雑貨など約7千品目をネット上に掲載し、注文の時間帯などによって当日か翌日に配送する。入会金、年会費は無料。購入額に応じ、配送料は1回当たり無料から210円とする。

 4月に始める松山市に続く第2弾として、広島市に計3店あるフジグランのうちの1店を対象に半径1キロで実施する。店舗やエリアは拡大する方針。高齢者や乳幼児を育てる世帯など、来店が困難な顧客の利用を見込む。

 尾崎英雄社長は「高齢化の進行で、重い商品はネットで注文する世帯が増える。将来に備え、ネット販売のノウハウを蓄えたい」と話す。

 中国地方では、フレスタ(広島市西区)が2001年から広島市でネット注文による配送を開始。ユアーズ(広島県海田町)とイオンリテール(千葉市)も09年に始めた。宅配の実績が長い生協ひろしま(廿日市市)も05年からネットによる注文を受け付けている。

 スーパー各社にとって、ネットを使った宅配事業は出店費を掛けずに顧客を拡大できる利点がある。ただ配送費やカタログなどの販売促進費も必要で、各社は効率的に配送できる都市部で展開している。

 ユアーズは2月、パソコンに加えて携帯電話からも注文の受け付けができるホームページを開設するなど、サービス競争も激化している。(東海右佐衛門直柄)

(2010.3.16)

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