中国新聞


柳井の4中学を存続
市教委、方針転換 柳北小も見直し


 新たな小中学校整備計画の策定を進めている柳井市教委は7日までに、当初計画で予定した4中学校の統合を取りやめ、4校とも存続させる方針を固めた。住民の反対が根強かった柳北小の柳井小への統合も見直すなど大幅な方向転換となりそうだ。

 2006年度に作成した旧計画では、12校ある小学校は柳井と柳北、新庄と余田、神西と鳴門を、4校の中学校は柳井に柳井西、柳井南、大畠をそれぞれ統合。14年度末までに、計16小中学校を9小学校、1中学校とする方針だった。

 市教委が各中学校区で開いている地域懇談会で示した整備方針案を総合すると、新方針案は達成目標を18年度までと設定。中学校は4校を維持、小学校は当面、10校の計14校体制となる見通し。

 余田、新庄の2小学校は当面は存続しつつ、統合は新庄小の校舎移築が必要となる土穂石川改修工事の進ちょく状況を見ながら検討する。合併した旧大畠町にある神西、遠崎、鳴門の3小学校は複式学級を避けるため、1校に統合する意向を示した。

 耐震性が不足している柳北小や余田小などでは、軽量鉄骨造りの長期リース校舎建設も検討。厳しい市財政に配慮しながら、児童の安全確保を急ぐ。

 現在の柳井小校舎は約13億円をかけて07年に完成。柳北小児童も受け入れが可能な校舎となっている。各校のリース校舎建設などでも財政負担が生じるが、高井孝則教育長は「安全を最優先に、コミュニティー形成に果たす学校の役割などを熟慮した」としている。

 旧計画では、旧大畠町域から中学校が消えることなどに不満が強く合意形成が難航。柳北小の保護者らは昨年6月、存続を求める署名を提出している。

 昨春に就任した井原健太郎市長は旧計画を白紙撤回。市教委は本年度内の新計画策定を目指し、昨夏から約2カ月に1回程度の地域懇談会で意見交換してきた。(久保田剛)

(2010.1.8)


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