福山市教委 小中学校に配布 「定着調査」基に作成
福山市教委は、分かりやすい授業の実践例をまとめたパンフレット「授業を変えれば子ども・学校が変わる」を作り、市内の小中学校に配布した。広島県教委の調査では、福山市の子どもの学力は県平均を下回るケースが多く、市教委は不振の一因は授業にもあるとみて異例の措置を取った。 県教委が6月に実施した基礎・基本定着状況調査で、福山市の児童・生徒の誤答が目立った設問のうち、中学生は国語と数学、英語から各2題、小学生は国語と算数から各2題を抽出。教科書やドリルを基に類似問題を作成し、子どもの思考力を高める指導のこつや授業をまとめる手順などを、各題ともA4判1枚に収録した。 正答率平均が33・5%だった中学生の英作文(県平均48・2%)では、動詞の語形変化を復習した上で@パートナーが作る日本文を英語で話すA英問英答に発展させる―と助言。41・0%だった小学生の国語の読解(同45・2%)では、あらすじを要約させたり、登場人物の心情を記述させたりするよう促している。
県教委や市教委によると、同市では本年度、小学5年生約4300人と中学2年生約3500人が受験。小5は6年ぶりに2教科とも県平均を上回ったが、中2は3教科とも県内23市町でワースト3以内に低迷した。 特に中2は2002年度の調査開始以来、県平均を超えたのは03年度の国語だけ。市議や教育委員からも学力の底上げを求める意見が相次いでおり、市教委は今秋、各校に授業の改善や補習の実施などを指導している。 パンフレットは市教委のホームページにも掲載している。市教委指導課は「受験者が多い福山市が県全体の平均を下げているとの指摘もある。実践例を参考に、子どもの学力向上に役立ててほしい」としている。(門脇正樹)
(2009.12.17)
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