管理栄養士が講習カフェ=@広島
広島、島根両県の管理栄養士たちが、食物アレルギーがある子の保護者向けに、気軽に立ち寄れる交流会「R(アール) cafe(カフェ)」を月1回、広島市内で始めた。日々の献立作りに悩む母親たちに調理のこつを楽しく学んでもらい、情報交換などの機会にしてもらうのが狙いだ。 今月上旬。西区内のある住宅で開いたカフェには母親5人が参加し、卵や乳製品、小麦粉を使わないクリスマスケーキを作った。卵は豆乳、小麦粉は米粉で代用した。ケーキは膨らみにくいため、薄切りにしてクリームを挟みながら重ね、食感をアップした。 初参加した梶山美紀さん(33)=佐伯区=は「材料を替えても、こんなにすてきなケーキができるなんて」と感心した様子。参加者は、ケーキの試食をし、アレルギー対応の食材を購入できる店の情報交換で盛り上がった。 料理を学びながら、悩みを相談したり、情報を交換したり。くつろいだ雰囲気で集えるカフェ形式で開講している。管理栄養士たち11人でつくる「チームアレルギー」が10月に始めた。食物アレルギーがある子の母親が、食事づくりでストレスをためているのに気付いたのがきっかけだ。鉄穴森(かなもり)陽子代表(58)は「母親たちは真剣に考えすぎ、自分を責め、孤立することも」と話す。一方通行になりがちな料理教室と違って、仲間をつくりやすいという利点がある。 鉄穴森代表は「食べられない物ではなく、食べられる物に意識を向けることが大事。アレルギーがあっても食べることが好きになるように家族の食事の時間も大事にして」と呼び掛ける。 1歳10カ月の長男にアレルギーがある主婦高橋陽子さん(35)=廿日市市=は離乳食の本に小麦粉や牛乳の文字を見るたびに「作れない」とあきらめ、安心と思う食材をゆでる料理ばかりで行き詰まっていた。 「食べさせる品目は少なかったし、子どもがかわいそうだったかも」と振り返る。「カフェでいろんな人の話を聞き、『柔軟に考えて作ればいい』と思えるようになった。使える調味料を一つずつそろえたい」と明るい表情を見せた。 チームアレルギーのホームページに、おかずやおやつのレシピを掲載している。カフェの参加希望者はホームページで日時や場所を確認し、申し込む。定員は5、6人で先着順。http://www.team-allergy.com(治徳貴子)
(2009.12.13)
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