中国新聞


出産で伝える「命の尊さ」
広島市の助産師グループ出前授業
生徒、母への感謝強める


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助産師(左端)の指導で、赤ちゃんを抱く練習をする生徒

 広島市の助産師6人でつくる「マザーリング・くらぶ」(川口一美代表)が、出前講座「いのちの授業」を開いている。数々のお産を支えてきた経験を基に、小中高校生に「命の尊さ」を伝える。14日はメンバー4人が、星槎(せいさ)国際高校広島学習センター(中区)を訪れた。

 2年生約50人が受講した。10キロの重りが入った上着を着て、妊婦の苦労を体感した。陣痛に耐える姿や出産直後の表情も写真で紹介。川口代表は「お母さんは命がけで出産に臨む。望まれないで生まれる子どもなど、いない」と語った。

 生徒は新生児の人形で、抱っこや着替えも練習した。「首を支えて」「着替えは素早く」との助言を受けながら、真剣な表情。繁山英将さん(16)は「母のすごさが分かった。あらためて感謝したい」と話していた。

 川口代表は「最近は自分を大切にする、いわゆる自己肯定感に乏しい子が多い。自らの存在を見直してほしい」と目的を語る。2003年に妊婦や家族向けの講座を開くために会を設立。学校からの講演依頼が相次ぎ、活動の幅を広げた。

 内容や手法は、受講者の年齢に応じて工夫する。性行動の低年齢化や性感染症(STD)の問題にも言及する。星槎国際高の平石雄二センター長(40)は「命の現場からの声には重みがある。自分の家族関係にまで思いを巡らせる生徒もいた」と喜んでいた。

 マザーリング・くらぶhttp://www.mother-ring.jp/

(2009.9.21)


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