中国新聞


校内で発電育てエコ心
太陽光システム設置へ
山口県立高など16校


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小郡中が理科室前に設置した発電量やCO2削減量が分かるパネル。県立校へもほぼ同様の機器を設置する

 山口県教委は、国の交付金を活用して、環境教育に力を入れている県立高12校と総合支援学校4校に太陽光発電システムを設置する。発電量や二酸化炭素(CO2)削減量が分かるモニターも付け、原理や仕組みを学ぶことを通じ、環境への理解を深める。

 教育政策課によると、設置候補は岩国総合(岩国市)や南陽工(周南市)、田布施農(田布施町)など県立専門高12校と、田布施総合支援学校(同町)など産業科を置く総合支援学校4校。環境教育への取り組みや学科、地域バランスなどを考慮して選定した。

 各校とも発電出力は15キロワット。約110平方メートルの太陽光発電パネルを駐車場や駐輪場の上に整備する。1校当たり年間1万6500キロワット時の発電量を見込み、約9トンのCO2削減効果があるという。

 候補校も設置に期待感を示す。環境科学の科目がある岩国総合の伴浩一校長は「生徒の省エネ意識を喚起するのに活用したい」。南陽工の村中一雄校長は「これまでの環境教育が評価された。新しい取り組みができる」と期待する。

 1校当たりの整備費は約2500万円で、予算総額は約4億1200万円。開会中の県議会定例会で予算案を可決後、年度内に整備するという。発電した電気は校内の照明などに使用。教育政策課は「例えば緑のカーテンの散水装置に利用することで、循環型の環境教育も学べる」と提案する。

 県教委のまとめでは、県内の小中学校では、すでに9校が設置済み。今回の国の補正予算で、新たに20校も設置申請をしているという。県立学校への整備は初めてで、教育政策課は「生徒に環境の取り組みを身近に感じてもらえる。それぞれの学校の視点で有効利用してほしい」としている。(石井雄一)

(2009.7.6)


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