中国新聞


重度障害児の医療的ケアどう改善
広島県教委 ヒヤリハット事例集


 広島県教委は、重度障害のある子どもを医療的にケアする際に起きた「ヒヤリハット」事例のハンドブックを作成した。昨年九月までの一年半の間、薬の取り違え未遂など八十五事例があったのを受け、改善策とともにまとめた。県内の特別支援学校に配り、安全確保の徹底を図る。

 医療的なケアは自力呼吸や栄養摂取が困難な児童、生徒に行っている。教諭と学校に配置された看護師がたんを吸引したり、鼻からチューブを通して栄養を送ったりしている。

 ヒヤリハット事例について県教委は昨年九月までの一年半の間を対象に調査し、八十五事例が判明した。薬の取り違え未遂のほか、チューブの接続不良や栄養剤の漏れなどが目立っている。

 ハンドブックでは詳しい内容とともに、問題点や未然防止のチェックポイントを記述。薬の取り違えの防止策では、包装紙に名前を記すことや、薬の変更時は口頭だけでなく文書で確認することなどを挙げている。

 トラブルが起きた場合は個人のミスにせず職場で分析し、改善策を実施、検証をするよう求めている。県教委によると本年度、医療的ケアの必要な子どもは特別支援学校十二校に計八十三人が在籍し、看護師十七人を配置している。(永山啓一)

(2009.5.6)


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