小中学校7月下旬 広島市教委が調査 冷房の必要性検討 広島市教委は、夏から秋にかけて市立の全小中学校で実施した教室の室温調査の結果をまとめた。七月下旬の全校平均は三二・二度と、国が示す夏期の最適基準(二五・〇―二八・〇度)を上回り、九月になっても九割で学習に適した室温には下がらなかった。今後、具体的な対策の検討を急ぐ。 調査は七月七―十一日、同二十二―二十五日、八月二十五―二十九日、九月八―十二日、十月十四―十七日の五回。市立の小中全二百四校で室温が最も上昇する教室と最も低い教室のそれぞれ二室を選んで実施。授業中、直射日光が当たらない場所の気温を机の高さで計測した。 その結果、七月の二回と九月の計三回の調査で全校の平均温度が国の基準を上回った。中でも七月下旬の計測では最も暑い教室の室温が四〇・〇度以上の学校も二校あった。 同市立の小中学校では、騒音対策などで窓が開けられない六校を除く百九十八校の約四千教室には冷房がない。市教委は全教室への設置経費は約七十一億円と試算しており、今後、モデル校で実施中の壁面緑化の効果も踏まえながら、設置の必要性を検討する。 県教委によると、県内でも公立小中学校は例外を除いて教室に冷房は設置していない。ただ、政令指定都市では京都市が市立小中学校の全教室へ設置を完了。さいたま市や川崎市も進めている。広島市教委給食保健課の要田豊課長は「適切な基準を大幅に上回っており、何らかの対策が必要」としている。(水川恭輔) (2008.12.5)
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