来年4月から 妊婦に健診や指導
広島赤十字・原爆病院(広島市中区)は来年四月、助産師だけで妊婦の健診や保健指導をする「助産師外来」を始める。勤務状況が過酷な産科医の負担軽減や助産師の自立を目的に、県が開設を支援した。県内の総合病院に助産師外来が設置されるのは初めて。 医師が経過を正常と判断した妊婦のうち希望者を、キャリア二十年以上の助産師四人が受け持つ。当初は週二日開き、希望が多ければ増やす。胎児の異常を早期発見できる超音波検査は、当面は医師が担当する。 助産師外来の運営には、万一の事態に備えて助産師と医師との協力体制が不可欠。同病院は今年四月、切迫早産や出産前後の腰痛を防ぐ「骨盤ケア外来」を助産師が開くなど、積極的な取り組みを進めている。この姿勢を県が評価し、支援を決定。先進施設で専門的な研修を受ける経費、普及活動費など約二百九十万円を助成する。 同病院では年間約三百件の出産があり、常勤医師三人が対応している。うち経過が正常な自然分娩(ぶんべん)が約四分の三を占めている。 助産師でもある佐々木恭子看護師長は「助産師は妊婦の相談に乗りやすく、きめ細かいケアができる。異常をチェックする産科医との二つの視点を持てるのも利点。総合病院なので緊急対応もできる」と話している。(藤村潤平) (2008.11.28)
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