中国新聞


神杉保育所を存続
三次市統合見送り 地元合意得られず


 三次市は、酒屋保育所との統合を検討してきた神杉保育所を、地元の合意が得られていないとして存続する方針を決めた。昨年度、統合を視野に二百人規模の保育所を実施設計していたが白紙に戻す。

 狭く老朽化した酒屋保育所に替わる新保育所を酒屋地区に建設するため基本設計費千二百万円の補正予算案を市議会定例会に提出。規模などは未定だが将来の園児増などを見越し、増築可能な設計にする。

 市は昨年度、市土地開発公社から東酒屋町の用地を約七千万円で取得したほか、二百人規模で屋上に園庭がある平屋の保育所を約一千万円で実施設計していた。

 見直し理由として、建設検討委員会などが地元の理解を得るよう報告していたが、神杉の保護者の約九割が地元の保育所を希望している▽屋上園庭は自然豊かな三次にそぐわない点などを挙げている。

 新保育所の建設場所や規模、保育サービスなどは、地元の意向や市内の保育所保護者アンケートをふまえて決定する。来年度の完成を予定している。

 実施設計後の見直しについて村井政也市長は「園庭が屋上にあるなど地元への説明でも理解が得られず、住民が期待しない保育所を建設すべきでないと判断した。将来状況が変わっても対応できる増築可能な園舎とし、十分な用地も確保したい」としている。(余村泰樹)

(2008.9.20)


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