中国新聞


府中保育会が解散へ
理事会決議 経営継続困難と判断


 府中市内で保育所を運営する社会福祉法人「府中保育会」の理事会は二十一日、本年度末での法人の解散を決議した。来年度から指定管理者制度が導入される市立和光園保育所の管理者候補から外れたため、経営継続が困難と判断した。

 保育会は、市の委託で和光園保育所を運営。指定管理者を目指したが、十九日の市の選定審査会で「独立採算への経営努力がうかがえない」と不合格になった。

 これを受けた理事会では、理事八人の全員一致で解散を決議。現在三十二人が通う保育会唯一の直営の「つくし保育所」については、来年度以降の存続に向け何らかの配慮をするよう伊藤吉和市長に要請書を出した。

 来年度に職員が保育会へ移る予定だった学校法人「府中市幼稚園」の理事会も同日あり、解散を決議した。

 両法人の正職員計二十一人の処遇は現時点では未定。両法人の理事長の中村一夫氏は「苦渋の選択。子を守り、職員が再就職できるよう努める」と説明。両法人職員が加入する自治労市幼稚園職員労働組合の松岡美智子委員長は「正式に聞いていないので、コメントは差し控える」と話した。(松本恭治)


クリック 府中保育会をめぐる問題 府中保育会は府中市の主導で1969年に設立。運営費の不足額を市の補助金で賄うようになり、99年度以降は毎年1億円を超えた。市は昨年度から補助金の削減・廃止方針、市立和光園保育所への指定管理者制度の導入を相次いで決定。理事会は、市の方針を受けて賃金カットなどの経営見直しに着手した。しかし職員労働組合は理事会提案を拒否。実質的経営者と位置付ける市の不当労働行為を訴え、県労働委員会に救済を申し立てるなどしてきた。

(2008.8.22)


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