中国新聞


「朝食に便利」味な商品開発
本紙で連載 ママの愛デア研究会
地場メーカーに協力


photo
ママ愛が食品メーカーと開発した6商品

 広島市内の主婦たちでつくる消費者グループ「ママの愛デア研究会」(ママ愛)が、地元メーカーと朝ごはん用の食品を共同開発するユニークな食育活動に取り組んでいる。「安心して子どもに食べさせたい」と、質を求めつつ「簡単」にこだわる商品やレシピを提案し、毎日台所に立つママの声を発信している。

 七月十日、広島市西区のスーパー、フレスタ横川店。メンバー三人がデモキッチンに立ち、ママ愛ブランドのだししょうゆを使った「豆腐onたま丼」を作ってみせた。買い物客に試食を勧める。毎月十日に設定した「ちゃんと、朝ごはん。の日」の活動の一環だ。

 デモキッチンの傍らに並ぶ「ちゃんと、朝ごはん。」と銘打ったママ愛ブランド商品は、「焼海苔(やきのり)」や「味噌(みそ)」など六点。のりは子どもが食べやすいよう小さめにカットし、みそはチューブ入りにするなど工夫をちりばめている。

 ママ愛は、三十―五十歳代の主婦八人が「母親の経験を生かした食育活動をしよう」と昨年四月に結成した。間もなく、地元の食品メーカーでつくる「おいしい朝ごはん研究所」(川中敬三所長、八社)から、商品開発への協力要請があった。ママ愛の河副多佳子代表(49)=西区=は「消費者の要望を直接、メーカーに伝える場ができる」と引き受けた。

photo
<上>新商品開発に向け、食品メーカーの担当者(右端)と意見交換するママ愛のメンバー <下>フレスタ横川店で朝ごはんのレシピとママ愛ブランド商品を紹介するメンバーたち

 月に数回あるメーカー担当者との意見交換では、メンバーが自分の家で商品を使うことを想定しながら、注文を付ける。ただ、前提にあるのは、朝ごはんを食べない家庭が増えている現実。朝ごはん初心者の母親に受け入れられるよう、使い勝手のいい商品を生み出し、作り方のちょっとしたコツを伝えようと頭をひねる。

 そうして生まれた「のり佃煮(つくだに)」は、スプーンやはしを汚さず片手で使えるようにチューブ入りの容器を採用し、うま味調味料を排除。佃煮を使った朝ごはんメニューもパッケージの裏に添えた。フレスタ吉島店(中区)では四月の発売以来約百五十個以上を売るヒット商品になった。

 ママ愛ブランド商品を販売しているのは県内のフレスタ十四店で、来月からは別のスーパー二店も加わる予定。どの店も、毎月十日の「ちゃんと、朝ごはん。の日」の取り組みに賛同し、ママ愛のメンバーらによる朝ごはんメニューの試食提案に協力。食育の輪が広がっている。

 河副代表は「商品は一つのツール。子育て経験のある私たちの生の声を発信して、朝の食卓をもっと豊かにしたい。一緒に活動したい人がいたら、ぜひ連絡を」と呼び掛けている。ママの愛デア研究会Tel082(245)9452。(平井敦子)

(2008.8.2)


子育てのページTOPへ