中国新聞


学校給食 牛肉消える
福山市7月から 食材高騰で豚・鶏肉に


 原材料費の相次ぐ値上げの影響で、七月の福山市の学校給食から牛肉が消えることが十一日、分かった。給食費を原材料費が上回る状況が続き、安価な豚肉や鶏肉に切り替えるメニュー編成を余儀なくされたためという。四月に約八百万円あった給食関係の繰越金も七月には底をつく見通しだ。

 市によると、福山市は肉類は国内産だけを使っており、牛肉単価は百グラム当たり二百五十円前後。百円を切る豚や鶏肉に比べ高値で、同市学校保健課は「豚や鶏肉に替えることで他の食材費を工面するしかなくなった」などと説明している。

 六月も牛肉使用は二日だけ。十三日のハヤシライスには一人四十グラムを使うが、二十五日のビビンバは当初の二十グラムを五グラムに減らして豚肉を二十グラムから三十五グラムに増やす予定だ。

 メニューはこれまで市と現場の栄養職員らが栄養バランスやカロリー、子どもの好みなどを考えながら話し合って決めてきた。今もジャムや子どもの好きなデザートなどを大幅に減らしてしのいでいるが予算は足りず、七月は牛肉を使わない分を他の食材費に回すことにした。

 福山市の給食費は一食当たり小学校二百二十円、中学校二百五十円。教育長を会長とする学校給食会が給食費を集め、一日約二万八千六百食分を提供している。しかし、チーズ類は四割前後、大豆油は三割も値上がり。小麦粉やバター、砂糖なども軒並み上がり、四月に約八百万円あった繰越金も七月には底をつく見通しだ。

 例年なら野菜価格が下がる秋以降にやや状況が好転するが、今年は来期以降の食材の年間契約も厳しい交渉が見込まれ、収支の改善は難しいという。

 学校保健課は「このままでは七夕の笹(ささ)団子など行事食を出すことも難しくなってくる。保護者らの理解を得たい」と話している。(吉村時彦)

(2008.6.12)


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