中国新聞


給食費の値上げ続々
食材高騰で3.1−8.6%
島根県内の学校など 栄養価維持に苦慮


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給食を調理、配送している出雲市の学校給食センター

 島根県内の幼稚園や小中学校で、給食費の値上げが相次いでいる。パンや牛乳など食材の値上がり分を価格転嫁したため。出雲市と大田市、斐川町、奥出雲町は一食当たり3・1―8・6%引き上げた。原料は、世界的にさらに値上がりする見通しで、栄養分を落とすわけにいかないと教育関係者は対応に苦慮している。

 出雲市教委は五月分から、幼稚園と小中学校計七十五校で一食当たり3・1―3・9%アップさせ、二百十一―三百三十七円にした。値上げは二〇〇五年三月の合併以来初めて。

 大田市教委も五月分から、三十四校で二百四十三―三百十五円と8・3―8・6%引き上げた。奥出雲町教委は四月分から二十二校で二百三十六―二百九十三円と、4・4―4・7%高くしている。斐川町教委も四月分から十校で二百二十七―三百四十八円と5・2―5・8%上げた。

 いずれも理由はパンや牛乳、調味料、めん類などの値上がりだ。施設管理費や人件費は自治体負担だが、材料費は保護者が負担している。世界的なバイオ燃料ブームなどを背景に卸業者からの調達コストが上昇している。

 各自治体とも安く食材を調達するなどの工夫をしているが、給食にはコスト削減の限界がある。文科省の学校給食実施基準で、例えば六、七歳で一食当たり五百八十キロカロリーなど十一項目で摂取量が定められている。出雲市教委学校給食課の米田敬止課長は「栄養価は維持しながら、果物を一回り小さくするなど献立を工夫して乗り切りたい」と頭を悩ませている。

 斐川町の学校給食共同調理場の伊藤晴夫所長は「数年間はこの価格で据え置きたいが、最近はさらに食材費が上がっており、いつまでこの価格で耐えられるかどうか」と気をもんでいる。(河野揚)

(2008.6.11)


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