広島市教委、独自の「道徳」開発へ 実態調査も検討 広島市教委は、小中学校の道徳の授業について市独自のプログラムの開発を始める。学級崩壊や少年犯罪が後を絶たない現状を踏まえ、善悪を判断し、ルールを守る「規範性」を育成するのが狙い。来年度からの実施を目指し、新たな授業計画や教材を作る。 七月中に大学教授らでつくる検討会議を設ける。道徳の学習指導要領にある「善悪の判断」「公徳心・規則尊重」など規範性にかかわる項目を横断的に再構成し、新たな年間授業計画を立てる。 教材作りを前に、市内の子どもの正義感、マナーなどを分析し、実態をつかむためのアンケートも検討する。郷土の偉人の逸話、新聞の論説記事、犯罪統計も活用し、来年三月までに完成させる。 道徳の授業は現在、副読本を読みながら学んでいる。独自プログラムでは奉仕や勤労の心をはぐくむため、ボランティア活動と職場体験も取り入れる。 来年度からの導入を予定。これに先立ち、教員の道徳指導研修を今年九―十二月に計十二回開く。モデル校での試行か、全校一斉かは今後判断する。道徳の授業は小学一、二年が年間三十四時間、小学三年から中学三年までが年間三十五時間と定められている。 市教委指導二課は「ルールを守る子どもを育てるには、都市化の影響で低下したとの指摘もある『家庭、地域の教育力』を学校で補う必要がある」と説明している。(水川恭輔) (2008.6.6)
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