中国新聞


親子愛 本ではぐくんで
周南市新事業 家庭を訪問、手渡し


 周南市は本年度から、子どもが誕生して間もない家庭に絵本を無料で届ける「ブックスタート」事業を始める。乳児を抱いての読み聞かせを通じて親子のきずなを深めるとともに、子育てを楽しんでもらうのが狙い。読み聞かせの意義を正確に伝えようと、県内の市で初めて、手渡しを計画している。

 届けるのは、生後六カ月以上と一歳以上向けの絵本二冊。四月一日以降に生まれた赤ちゃんへのプレゼントで、市が薦める絵本のリストや市内の子育てサポート施設の案内チラシなども同封する。

 計画では、乳児がいる家庭を訪問する母子保健推進員が手渡しする。対面を通じて「親子のふれあいを増やす」「絵本で感受性を高める」など読み聞かせの効果を伝える。推進員は保護者が疲労や悩みを抱えていないかなど、育児の状況も同時にチェックする。

 市健康増進課は初年度の配布対象を約千三百人と見込む。同課は「共働きや核家族化の進展で強まる子育て夫婦の負担を軽減したい。手渡しなら、行政や地域が応援しているとのメッセージも伝えられる」と強調する。

 県立山口図書館(山口市)の子ども読書支援センターによると、県内でブックスタート事業に取り組むのは山口、下関など三市四町という。(山瀬隆弘)

(2008.4.8)


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