中国新聞


山口県、子育て住宅に指針
素案まとめ 安全・交流に配慮


 山口県は、子育て中の家族が暮らしやすい家造りの指針となる「やまぐち子育て世帯安心住宅整備基準」の素案をまとめた。少子化対策が目的で、一戸建てと集合住宅の両方が対象。子どもの安全や家族同士の交流、騒音への気配りなど、住環境全体に配慮している。

 基準は八十三項目あり、赤ちゃんをベビーカーに乗せたり降ろしたりしやすいよう玄関は縦百三十センチ、横九十センチ程度のスペースが必要などと示している。大半に最低限の「基本」と、より望ましい「推奨」の二つの目安を設け、浴室の出入り口の段差は二センチ以下(基本)、ゼロ(推奨)など具体的できめ細かな表記が並ぶ。

 県住宅課によると、県内の二〇〇六年の出生数は一万一千六百九十二人で、昭和四十年代の半分以下の水準。一方、〇七年に百七十七世帯に実施したアンケートでは、28%にあたる四十九世帯が「子どもが家の中で大けがをしたことがある」と回答。安全面でも子育て住宅の指針が必要となっていた。

 基準は、学識者や建築士、母親らの「子育て世帯安心住宅懇話会」の意見を基に、新年度早々に策定。県のホームページで公開し、施工業者や住宅購入希望者の参考にしてもらう。また、住宅模型の作製など体験型講座の開催も予定している。(桑田勇樹)

(2008.3.30)


子育てのページTOPへ