1食当たり15−20円 食材高騰 他市は静観 小麦や燃料費の高騰、中国製食材の使用自粛を受け、東広島市の一部の小中学校が四月から、給食を一食当たり十五―二十円値上げする。「質を維持するため」と理解を求めるが、県内の他市は当面は据え置く方針だ。保護者に十分な説明がなく戸惑いも出ている。 東広島市内の小中学校は五十校で、二十五校は六つの給食センターが賄い、二十五校は校内調理などをしている。現在は、一食当たりの平均は小学生が二百九円、中学生が二百三十五円。 西条、八本松、福富、河内の四給食センターが管轄する十七校は十五―二十円値上げする。自校調理場も複数が値上げを検討している。単純計算で、月二十回の給食の場合は三百―四百円アップとなる。 市内の学校給食の値上げは七―十年ぶり。背景には、世界各国のバイオエタノール増産による小麦の在庫の逼迫(ひっぱく)や、原油の値上がりなどがある。年明けには中国製ギョーザの中毒事件も明らかになった。 県内の他の十三市は当面は据え置く方針だが、東広島市内のある給食センター所長は「値上げなしには栄養バランスを維持できない」とし、別の所長は「中国産の食材を国産に変えた影響も大きい」と説明する。 東広島市の値上げ予定校は保護者向けのビラやPTA総会などで今後、周知を図る。小学校に二児を通わせる母親(34)は「まだ学校から何の連絡もない。安全な食材は大事だが、当面は他市のように内部努力で据え置いてほしい」と話す。(治徳貴子、小山顕) (2008.3.18)
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