中国新聞


放課後対策連携を模索
子ども教室×児童クラブ
宇部や阿武4地域一体 山口県教委もサポート


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市町の担当者とコーディネーターの合同研修会でイベント計画を練る参加たち(1月31日、山口市)

 住民の協力による子どもの居場所づくりを目指す国の施策「放課後子どもプラン」が、山口県内で広がっている。似通った機能の「子ども教室」と「児童クラブ」の連携強化を図る計画で、二〇〇七年度にスタートした。一体的に活動する先進地がある中、活動に携わる人材育成やプランづくりなど課題も浮上しており、県教委も支援に力を入れる。

 子どもプランは、文部科学省と厚生労働省の事業を集約し、市町が事業主体となる。主に学校の空き教室や公民館で、学習や遊び、スポーツ・文化活動などを進める。

 現在、教育推進の観点から実施している子ども教室は、全小学校区の約三割の百五校区に百一教室。保育に比重を置き、主に低学年を対象にした児童クラブは二百四十一校区に二百八十四クラブある。

 別々に運営される教室とクラブは、季節行事に合わせたイベント、スポーツやお菓子作りなど週末の体験活動を合同で取り組むなど、連携の道を模索している。

 一方、下関、宇部両市、阿武町の計四地域では、すでに合同で取り組んでいる。宇部市厚東地区は小学校近くの市民センターで、地域のお年寄りが先生役の文化教室を開き、農園での野菜作りも企画する。

 連携強化を図りたい県教委は昨秋、プランづくりを担う地域コーディネーターとして依頼した三十三人にアンケートをした。八割近くの二十六人が「人材確保と育成」を課題に挙げ、後継者や平日のスタッフ確保の難しさなどを指摘した。

 また、六割が学年に合わせたプランづくりの難しさを、半数が安全管理への不安を訴えた。

 課題解消へ、県教委はプラン策定や安全管理の研修会を継続するとともに、近くホームページで事例紹介を始める。社会教育・文化財課は「ボランティアの力を借り、取り組みは徐々に広がってきた。地域の人をつなぐ拠点にもなっている」と受け止め、「山口らしい形を模索したい」としている。(高橋清子)

(2008.3.11)


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