中国新聞


6病院に医師重点配置
山口県が産科・小児科対策計画
24時間体制を確保


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 山口県は、勤務医不足の深刻な小児科、産科の医療体制を確保するため、医師を基幹病院に集める「集約化・重点化」の計画をまとめた。小児科、産科ともに六病院を基幹の「連携強化病院」に指定して優先的に医師を配置する。他の公的な病院からの医師の振り向けや機能移転など具体策は今後、地域ごとに協議する。

▽具体策は圏域で協議へ

 集約化・重点化は厚生労働省の方針を受け、県、山口大、県医師会などでつくる県医療対策協議会が昨年度から検討を始めていた。勤務医の負担が重くなる中、小児科、産科医療を二十四時間体制で提供するために必要と判断した。

 小児科では、集約化する地域を二次医療圏をベースに五つ設定。連携強化病院は岩国医療センター(岩国市)徳山中央病院(周南市)県立総合医療センター(防府市)山口赤十字病院(山口市)山口大付属病院(宇部市)済生会下関総合病院(下関市)の六病院。それぞれ医師が五、六人と少なく、八人以上を目標にした。

 連携強化病院は、入院が必要な患者の二十四時間の受け入れや新生児医療に加え、地域の診療所や病院に対し外来や研修など支援も担う。他の公的な九病院を「連携病院」とし、場合によっては医師も含め医療機能を強化病院に移転する。

 産科も地域を五つに分け、連携強化病院に周産期母子医療センター機能を持つ、小児科と同じ六病院を指定。医師七人以上の配置を目標にした。他の十一の公的病院への連携病院の指定は、一―三人しかいない医師が移ると正常分娩を取り扱えなくなるため見送った。

 県は、新年度からのドクタープール事業などで獲得する県外の医師、山口大派遣の医師を連携強化病院に優先的に配置するよう想定している。ただ、連携病院からの医師振り向けは、病院や医師の意向、住民の抵抗感などで実現へのハードルは高い。

 協議会会長の前川剛志・山口大医学部長は「ここまで医師が減ると集約化せざるを得ない。県と大学が密接に協議して作った計画。地域でベストの方法を探ってほしい」と強調。県は「具体策は、地域ごとに関係病院、医師会、市町で協議する。山口大や地元と連携して進めたい」としている。(高橋清子)

(2008.3.6)


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