中国新聞


2保育所を民間移管
防府市09年度から
「効率優先」に反発も


 防府市は市内五カ所の公立保育所のうち、二〇〇九年四月から、三田尻(同市岡村町)と西須賀(同市新田)の両保育所の運営を民間の社会福祉法人に移管する。人件費と運営費削減が狙い。保護者の一部からは「性急すぎる」と反対の声があがっている。(山下悟史)

 市健康福祉部によると両保育所には計百六十四人が在籍。三田尻は勝間保育園(同市東三田尻)、西須賀は華陽会(同市新田)にそれぞれ移管する。

 保育料は変わらず、園舎や園庭もそのまま使う。引き継ぎのため今春から一年間は、市職員のクラス担任と法人スタッフが一緒に保育にあたる。市は、二月二十五日開会の市議会定例会に市立保育所設置条例の改正案を提案。民間への移管により、約一億五千万円の経費削減を見込む。

 効率を優先する方針に保護者らは反発。三田尻保育所保護者会の細野美幸代表(35)は一月二十九日、行重延昭市議会議長に見直しを求める要望書を提出している。

 細野さんは「アレルギー対策や障害児の受け入れ態勢に不安が大きい」と強調。市健康福祉部の森重豊部次長は「民間と公立でサービスの差はない」と理解を求める。

 公立保育所の運営をめぐっては、市行政改革委員会が〇一年、「段階的に、すべての公立保育所を民間に移管する」と答申している。

(2008.3.1)


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