中国新聞


教育現場サポート強化
山口県教委 総合支援センター開設
専門相談員を常駐 学校に派遣も


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 山口県教委は、山口市秋穂二島の教育研修所を改編し、「やまぐち総合教育支援センター」を4月に開設する。教育力の低下した家庭や学級崩壊、いじめなど問題を抱える学校現場に対し、行政や専門家の支援を集約化してサポート力を高めるのが狙い。1967年に開設して以来、改編は初めてで、県民にも開かれた運営をめざす。

 家庭対策では、相談に応じる「子どもと親のサポートセンター」を新設。教育政策、学校安全・体育、社会教育・文化財の三課と研修所の四カ所にあった窓口を一本化して、電話や訪問で対応する。

 臨床心理士やスクールソーシャルワーカーが常駐するほか、児童、生徒による有害サイトの閲覧などネット問題の専門相談員も置く。

 学校支援では、大学教員や精神科医、警察OBらと県教委、市町教委の指導主事らでつくる「学校サポートチーム」を設ける。学力が伸びない、いじめや暴力行為などの問題行動で落ち着かないなど、学校側からの申し出により五―七人を派遣。最大三日間で支援計画作りや家庭との連絡など解決策を助言する。

 教員研修は引き続き担う。四十二人の常勤職員は増やす予定。さらに、非常勤職員も専門家を中心に六人から十二人に倍増する。

 藤井俊彦教育長は「より専門的な教育相談が求められている。課題に個別に対応するやり方から、総合的なバックアップへと変えていく」と力説した。

 家庭や地域、学校現場への支援は、今年一月の中教審答申や教育再生会議の最終報告でも強調されている。(高橋清子)

(2008.2.22)


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