中国新聞


農業の人材に高校生育成
広島県教委、プログラム化へ
西条農高を拠点 産学連携


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中間報告案をまとめた県地方産業教育審議会

 広島県教委は新年度、農業分野のスペシャリスト育成に向け、高校生の教育プログラムの開発に乗り出す。県立西条農高(東広島市)を拠点に、近隣の研究機関や企業とも連携。三年がかりで、研究や課題解決のノウハウを生徒に身に付けさせる最先端のプログラムづくりを目指す。

 プログラム開発の必要性は、県地方産業教育審議会(茂里一紘会長)が二十日、県庁での会合でまとめた中間報告案にも盛り込まれた。

 具体的には、広島大大学院や県立総合技術研究所などの研究機関や地場企業などの協力を得ながら取り組む。家畜の排せつ物や食品廃棄物の燃料への活用、農業技術の海外での活用などに関する研究を通じ、専門的な知識を身に付けた人材を育てる手法を確立する。

 県教委は審議会報告を先取りして着手し、アグリビジネス(農業関連産業)のスペシャリストの育成プログラムとして県内の他の高校などにも普及させたい考え。文部科学省の「スーパー専門高校事業」を活用する計画で、新年度一般会計当初予算案に一千万円を盛り込んだ。

 審議会の報告案はこのほか、産業界や大学を巻き込んだ「専門高校・専門学科教育人材育成機構」(仮称)や、地場産業を担う人材を育成する「専門教育支援体制協議会」(同)の新設も提言。県教委は新年度、それぞれの設置可能性を探る方針だ。

 審議会は経済界や教育団体の代表者ら十人で構成。昨年六月に県教委の榎田好一教育長から「産業界や教育機関との協力体制づくり」など五項目の諮問を受けた。四月から一カ月間、県民の意見を募り、八月に答申する。(村田拓也)

(2008.2.21)


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