中国新聞


分娩業務 4月から中止
尾道みつぎ病院 医師1人では困難


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4月から分娩業務を中止する公立みつぎ総合病院

 尾道市公立みつぎ総合病院(同市御調町)の産婦人科が四月から、分娩(ぶんべん)業務を中止することが十五日、分かった。新任の産婦人科医師が二十四時間態勢の業務を断ったためで、病院側は「一人態勢」の脱却に向け医師確保を急ぐ。

 病院によると、産婦人科には現在、産婦人科男性医師(49)一人が勤務し、派遣元の広島大病院(広島市南区)の人事異動で四月から別の病院で勤務する。広島大から新たに派遣される男性医師(60)は、一人での二十四時間態勢では体力面などから分娩業務は困難、と伝えてきた。そのため、病院側は態勢が整うまで当分、分娩業務を中止せざるを得ないと判断した。妊婦の定期検診などは引き続き実施する。

 産婦人科は病院設立と同時の一九五六年に設置。二〇〇五年四月以降は医師一人となっている。〇七年の分娩実績は百四十三件。尾道市北部に加え、府中市や広島県世羅町も診療圏域となっている。現在、受診している妊婦は十人ほどで、四月以降の出産予定者については今後、妊婦が希望する地域の受け入れ病院を紹介する。

 谷川功一事務部長は「妊婦さんに不便をかけ申し訳ない。早急に医師をもう一人確保するため、広島大への派遣要望や一般公募の強化に努める」と話している。(田儀慶樹)

(2008.2.16)


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