授業改善策盛る 広島県検証委報告書 小中で活用へ
文部科学省の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を分析していた広島県検証改善委員会(委員長・角屋重樹広島大大学院教授)は十三日、授業の改善策などを盛り込んだ報告書をまとめた。県教委は報告書を全公立小中学校に配布し、教職員の指導力向上などに役立てる。 報告書は、身に付けるべき知識を問うA問題と、知識や技能を活用する力などをみるB問題の結果を踏まえ、「知識や技能を活用して思考・表現する力に課題がある」と総括した。 A、B問題とも正答率が全国平均を上回った学校は、いずれも下回った学校と比べ、教師が(1)基礎を定着させる(2)実生活と関連づける(3)自分の考えを書かせる(4)言語技術を活用する―との観点を重視して指導している傾向が出た。 生活習慣では、日々のニュースに関心があり、予習復習をしている子どもの正答率が高い―などの結果が出たという。 このため、広く知識・技能を習得する▽論理的に表現する力を高める▽思考力・判断力を高める▽学ぶ意欲を高める―の四つの視点から授業を進めることが大切だと指摘。工夫した授業の事例をまとめたDVDも制作した。 角屋委員長は「授業改善には何が必要かのエッセンスを学び、自分たちの学校に合うように工夫してほしい」と強調した。報告書を受け取った県教委の榎田好一教育長は「各学校に配り、県全体の学力向上につなげていく」と述べた。(村田拓也)
(2008.2.14)
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