徳山大が遺児奨学制度 徳山大(周南市)は、事故や病気で保護者を亡くした学生の授業料を半額とする「交通遺児等父子・母子家庭特別支援奨学生」制度を創設した。経済的な困窮で進学できないケースを支援する。遺児を対象とし返済を伴わない奨学支援制度は全国初という。新年度の入学生から適用する。 対象は、(1)父母のいずれか一方、または両方を亡くしている(2)世帯の年間収入が三百万円以下(3)高校の学習成績の評定平均値が三・二以上―を同時に満たすケース。四年間を上限に、授業料(年間六十二万五千円)の半額を免除する。 昨年秋、学内から「進学できない交通遺児をサポートしたい」との声が上がり、新制度の導入を検討。既存の奨学金制度は「返済の義務」や「支援決定が入学後になる」などの壁が残っていると分析し、合格した段階で四年間の授業料の半額免除を決める制度とした。 初年度は三人程度を募集する。希望者は出願時に所定の申請書と戸籍抄本、所得証明書などを添えて申し込む。 杉光英俊学長は「学習意欲がある優秀な人材が社会で活躍できるよう支援したい」とし、「少子化が進む中、地方大学へ進み、卒業後も地元に残る人材の増加につながれば」と話している。徳山大入試室Tel0834(28)5302。(山瀬隆弘) (2008.2.8)
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