中国新聞


宇部市の楠総合支所
議場が子育て交流の場に


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子育てサークルくすのきで、ちぎった新聞紙のシャワーを浴びて遊ぶ子どもたち。議場だったスペースを、保育士らが手直しした

 子どもとお母さんたちの笑い声が響く。旧楠町役場の議場は、乳幼児と母親の交流の場「子育てサークルくすのき」に生まれ変わった。二〇〇五年七月の開設以来、一日に二十組以上の親子連れが訪れる。

 宇部市の「つどいの広場事業」三カ所のうちの一つ。段差があった床を平らにし、授乳室を整備。広さは約百三十平方メートルある。平日午前九時半から開き、午後一時ないし三時半まで。保育士四人がスタッフで、二人が常駐。四歳までの子どもたちに体操や手遊び、合唱を教える。クリスマスや七草がゆなど、季節の行事も人気だ。

 「いろんなお母さんと話せるのが楽しみ」。同市船木の主婦三上幸江さん(25)は、長女莉緒菜ちゃん(1)を連れ、ほぼ毎日通って八カ月になる。評判を聞き、市中心部から訪れる親子連れも増えている。

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楠町役場だった楠総合支所。高齢化が進む地域にあって、若い母親や子どもたちの交流拠点として生まれ変わった

 〇四年十一月の合併で、旧役場は楠総合支所に移行した。地域振興課、市民生活課など五課や水道局、市教委の分局などで職員百六人が働く。合併前から十三人の減少。庁舎は築四十五年を超えるが、親子の歓声で今もにぎやかだ。

 中山間地域にある管内の高齢化率は29・5%。市平均を5ポイント以上上回る。四歳以下の子どもの割合はわずか0・7%。伊藤勇総合支所長(57)は「仕事をしていても、窓から子どもの笑い声が聞こえると心地よい。一人一人を大事に育てられる地域にしたい」と力を込める。(桑田勇樹)


 <メモ>1955年4月、船木町、吉部村、万倉村が合併して楠町が発足した。2004年11月、旧宇部市に編入されて、新しい宇部市となった。管内には、2699世帯6923人が暮らす。

(2008.2.5)


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