中国新聞


親の悩み分かち合う
CLOVER LETTER
NPO法人ひつじの会


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カラー用紙で変化を持たせ、イラストや写真を盛り込んだ紙面

 四つ葉のクローバーを連想させ、幸せな便りを届けようとの思いを込めた広報紙「CLOVER LETTER」。山口市を拠点に知的障害者の自立支援をする特定非営利活動法人(NPO法人)ひつじの会が年二回、春と秋に発行する。

 知的障害者とその家族で二〇〇三年一月に会を発足。〇四年五月に県からNPO法人の認証を受けたのを機に、知的障害者への理解を深めてもらおうと、広報紙発行を始めた。パソコンに詳しい会員の中村和子さん(55)=山口市後河原=が編集を担当。同市平井の会の事務所で会議を重ね、中村さんら会員七人が約一カ月半かけて紙面を作る。

 広報紙はA4判四ページの単色刷り。一面に写真やイラストを配し、会として訴えたい問題などを取り上げる。二面に障害者自立支援法などに対する会員の意見を、三面には「グループホーム便り」と題し、会が運営する二つのグループホームの近況を紹介。四面は「本人余暇活動」として会の活動を報告する。

 「親なき後に子どもが幸せに生活できるのか。それが親の永遠の悩み。広報紙がネットワークづくりの一助になれば」と中村さん。国田明美事務局長(47)=同市小郡上郷=は「広報紙を作ることで社会的な課題を整理でき、情報発信していける」と明かす。

 同市の市民活動支援センター「さぽらんて」に登録する約四百団体に郵送したり、会員が市内の知的障害者施設に届けたりする。石村真奈美副理事長(47)=同市宮野下=は「今後は会員以外の人のメッセージも掲載し、より地域に溶け込んだ紙面作りを検討したい」と考えている。(浜村満大)


 二〇〇四年九月に創刊、昨年十月に第七号を発行した。次号は今年四月の予定。広報紙に割ける予算は年間五千円前後。それでも毎号五百〜千部を印刷し、市民団体や障害者施設のほか、ひつじの会が主催するフォーラムなどで配っている。

(2008.1.26)


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