中国新聞


子連れ外出「困った」85%
「トイレが狭い」「ベビーカー優先して」
広島の実行委アンケート 改善策を来月討議


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広島市中区の本通り商店街を、子ども連れに優しいかどうか点検する保護者たち

 子どもと街に出掛けたとき「困ったことがある」と答えた保護者は85%―。来月9日に広島市内で子育てフォーラムを開く実行委員会が実施したアンケートで、子ども連れで行動する市民への優しさに欠ける街の環境が浮かび上がった。「エレベーターではベビーカーを優先して」「子連れで入りやすいトイレを」。子育て世代の切実な訴えだ。(平井敦子)

 アンケートは、広島市を拠点にする育児支援グループや市中央部商店街振興組合連合会、市、広島県、中国新聞社など十六団体でつくる実行委が企画。ひろしまこども夢財団の「Kids情報送信サービス」の協力を得て、携帯電話のメールで実施した。小学生以下の子どもがいる保護者を対象に尋ね、市内の二百六十一人から回答を得た。(平井敦子)

 広島市中心街への外出時に「困ったことがある」と答えたのは二百二十一人。最も多かったのは、「べビーカーでの移動の大変さ」で、四分の一強を占める約七十人が挙げた。「エレベーターが満員で乗れないことが多い」「バスや電車の乗り降りが難しい」「段差が多い」と、不便さを訴えている。

 続いて、「ベビーカーごと入れるトイレがない」「子ども用の便座がない」など、子連れで使いやすいトイレが少ないことを指摘したのが約四十人。「おむつ替えや授乳の場所が少なくて困る」という意見も多かった。

 実行委はさらに、保護者十五人に協力を得て、「子連れに優しいかどうか」の視点で広島の街を点検するプロジェクトを進めている。フォーラムでは、街を歩いた十五人が改善策を提言し、商店街や企業、行政の代表者らと意見を交わす。

 実行委員の一人で、育児支援グループ「子育ておたがいさま〜ズ」の金子留里代表(47)は「子育て中のママやパパたちにフォーラムに参加してもらい、『こんなまちにしてほしい』と、生の声を発信してほしい」と、参加を呼び掛けている。

(2008.1.21)


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