美土里中の寮廃止へ 智教寺地区はバス再開
安芸高田市が、同市美土里町の美土里中にある市内唯一の学校寮「朝光寮」の二〇〇八年度末廃止を検討している。現在保護者らと折衝中だが、七日、寮廃止を視野に同町智教寺地区に、通学バスの運行を始めた。 寮は一九七四年、旧美土里町が中学を一校に統合した際、六キロ以遠に住む生徒のために設置した。定員八十人で、開設当初七十三人いた寮生は現在十七人にまで減少。寮舎も老朽化が進んでいる。二〇〇六年度の維持費は千五百二十六万円。 町内には小中各一校ずつあり、遠距離の子どもには旧町時代から、小学生がバス、中学生は寮で対応してきた。今回、市は「バス通学は認知されており、寮舎改修費もかさむ」などを理由に廃寮の方針を固め、昨年八月以降、保護者に意見を募ってきた。 保護者には、行き届いた通学バス網を望む一方で「バス停から家まで二キロ以上歩く子もいる。特に雪深い冬は不安」との指摘や、寮生活による教育効果を評価する声もある。佐藤勝教育長は「子どもの利便性を最優先に考えたい」と話す。 通学バス運行を始めた智教寺地区は、中学から十七キロ離れ、現在二人の生徒が住む。 市は昨春、同地区最後の児童が中学に進学したため、児童向け通学バス運行を廃止。このため家族が毎日送迎していた。同地区には市中心部行きのバスがなく、運行を望む声が出ていた。(澄田真) (2008.1.8)
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